作って食べる こども食堂
こども場所「みんなこんね」について
「みんなこんね」は、島原市白山地区の公民館や古民家で毎月1回開かれるこども食堂です。特徴は、子どもたちが調理に参加すること。小さな子どもたちが自らおにぎりを握ったり、調理の様子をそばで見てお手伝いをしたりします。
集まるのは小さな子どもだけでなく、高校生のボランティア、1人暮らしの高齢者、留学生など世代も国籍もさまざま。多くの人が「みんなで作って食べる時間」を心待ちにしています。
こども食堂 立ち上げのきっかけ
行政や病院で30年以上、管理栄養士として現場に向き合ってきた小西治子さん。熊本の大学では、未来の管理栄養士を育てる教育にも携わってきました。
そんな小西さんが島原に帰郷して取り組み始めたのが、地域の子どもたちの「食」を支える活動でした。
令和2年6月、自宅の一角で10人ほどの子どもたちのために、ごはんを作り始めたのが始まりです。回を重ねるごとに少しずつ人数が増え、今では約40名が集う場に成長しました。
小西さん「ただ食事を作って食べてもらうだけじゃなく、子どもたちが楽しめて、安心して来られる場所をつくりたい」。そんな思いが、活動を支え続けています。
地域とともに、豊かな食育
小西さんは、地域からの支援についてこう話します。「島原市母子寡婦福祉会、食生活改善協議会をはじめ、地域の皆さまの協力のおかげで、子どもたちへ幅広い体験を届けられています。
例えば島原名物のお店から招待を受け、『寒ざらし』づくりを体験しました。
また若手農家の方々は、大根の種まきから草収穫までを通した、長期の体験を提供してくれました。一緒に育てて味わった『大根ステーキ』は絶品で、子どもたちから大きな歓声があがりましたよ。
さらに近隣の農家の皆さんからも、収穫期になると採れたての野菜が次々と届きます。 地元の食材を使ってお腹いっぱい食べてもらえること、そしてこうした貴重な食育の機会をいただけることが、本当にありがたいです。」
家庭料理ベテランの活躍
メニュー決めや実際の調理、子どもたちに作り方を教えるのは、島原市食生活改善協議会(通称:食改さん)の皆さんです。毎回10名ほどがボランティアとして参加しています。
平均年齢65歳以上、家庭料理のベテランぞろいです。提供された食材を上手く組み合わせて、季節感あふれる献立や、郷土料理などに変身させます。
子どもたちが『おいしい』と笑顔を見せてくれることが、食改の皆さんにとって何よりの喜びであり、活動の大きなエネルギー源になっているそうです。」
利用者の声
小学6年生の女の子は、「小さい子と遊んだり、高校生のお姉さんと料理をしたりするのが楽しいです。普段は一人っ子だけど、ここではきょうだいができたみたい。おにぎりも自分で握れるようになりました」と話します。
家族で通う利用者は、「いろんな世代の人と自然におしゃべりできる、実家のような雰囲気がいいですね。子どもたちもお兄さんお姉さんと遊べるのを楽しみにしています」と微笑みます。
小西さんは、「小学生以下の子どもたちにとって、高校生は身近で憧れの存在なんです。おばあちゃん世代から“教わる”のもいいけれど、高校生と“一緒に作る”と、子どもたちは本当に生き生きしますね。
また、保護者が忙しく、子どもに料理を教える時間を持ちにくいご家庭もあります。『料理を自分に任せてもらえるのがうれしい』と話してくれる子もいますよ」と、活動の意義を語りました。
こんな支援を求めています!
活動を持続的に行っていくため、小西さんは次のような支援を求めているといいます。
「ご協力いただける方は『ながさきこども食堂ネットワーク』を通じて、寄付していただくのが一番いいと思います。
企業さんからの支援も増えていて、『どんなものが必要ですか?』と聞いてくださるのは特にうれしいですね。食材だけでなく、ラップや洗剤などの消耗品もありがたいとお伝えしています。
また高校生や一般の方の、ボランティアとしての参加もとても大歓迎です。」
こども場所をやってみたい方へ
島原半島エリアでは「みんなこんね」の取り組みをきっかけに、地域に合った新しい形の「こども場所」が広がりを見せています。参加者と一緒に調理をする食堂や、高齢者の見守りを兼ねた取り組みなど、その形はさまざまです。
小西さんは「みんなこんね」の経験をもとに、こども食堂をやりたいという人のサポートも行っています。
これからも地域の子どもたちを応援
小西さん「無理のないやり方で、自分たちがやれることを長く続けることが大切だと思います。
いろいろなタイプのこども食堂が増えることで、それぞれの子どもたちが自分に合った、温かい居場所を選べるようになったらいいなと思います。」と未来への希望を語りました。
- こども場所の名前
- 島原子ども食堂 みんなこんね カフェ&キッチン
- 開催場所
- 島原市内白山地区、杉谷地区公民館、古民家(島原市湖南町 7647)
- 開催日
- 月2~3回
- 利用対象
- どなたでも
- 利用料金
- 一般の方 1食 200円
- 運営
- 代表 小西治子
- 利用目的
- 食事、多世代交流
- 支援方法
- ながさきこども食堂ネットワークへの寄付 / ボランティアスタッフとしての参加










